「ZiL Noble 白書」 Photo・・・瀬戸内の風に癒されて~

キャンピングカー ZiL Noble で出掛けた先の写真をアップしています

  ZiL Noble でキャンプするのが好きです。 自然の中に身を置いて、ノーブルのリビングソファーで風を感じながら珈琲を飲む、それが私にとって至福のひと時なんです・・・・

カモメ舞う 高松‐宇野 航路

ZiL Noble を購入してから 家族で旅する日が増えた。

だからこそ、日常では味わえない感動がある。

 

春に出掛けた2泊3日の四国キャンプの帰路で、素敵なことがあった・・・・

 

四国は、私が住む街から海を渡ればすぐの所で よくノーブルでキャンプに出掛けている。 四国は広いから1泊や2泊くらいでは とても回り切れない。 だからこそ 行く度に新しいことを知れるし 楽しくて魅力的に感じ、季節が変わる度に行きたく成ってしまう。

こんなに頻繁に四国に渡る様に成ったのはノーブルを購入してからだ。 時間さえあれば気軽に旅に出掛けられる! それがキャンピングカーの素晴らしさなのだ。

 

桜の開花にあわせて出掛けた四国旅。

妻とも仲良く過ごせたし、天候にも恵まれて いい旅だった。

 

往復割引で買っておいた乗船券(復路)を手に、四国フェリー高松港ターミナルに着いた。 ※ 高松‐宇野 航路です。

 

私達キャブコン乗りには四国フェリーは欠かせない。 風が強い日には瀬戸大橋を渡ることは出来ないから フェリーが無ければ足止めを食うし、そうなれば仕事に支障が生じるから 本州から四国へキャブコンでは行くことすら出来なくなる。

そんな我々の事情とは関係なしに、毎年の様に 高松‐宇野 航路は赤字の話が持ち上がってくる。 現に もういっ社あった宇高国道フェリーは 2012年に惜しまれつつも運航を休止している。

勿論、私も瀬戸大橋は有難く通行させて貰ってはいるが、キャブコン乗りの強い味方としてフェリーに存続してもらうために、そして旅情を楽しむ観点からも、多くの方に四国フェリーを利用して頂ければと願っている。

 

そんな不景気な話はウソの様に、今日のフェリー乗り場は賑わっていた。

フェリーが着岸して船首のゲートが下りると 満載の車両が順に降りてきた。

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もう慣れてしまったが、はじめてノーブルでフェリーに乗り込んだときは 少し緊張したっけなー・・・ なんて考えているうちに乗船の時間がきた。

船員に誘導されて乗船した。

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サイドミラー越し

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「今日は混んでいるし、サロン船室に行かないでノーブルで休んでいようか」

妻は阿吽でうなずいてくれた。

 

サードシートに二人並んで座る。 姉妹車の ZiL などと比べれば 決して広くはないが仲がよい私達にはちょうどいいリビングソファーだ。

TVを観ながら冷蔵庫で冷やしておいた缶コーヒーを飲むとするか。

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乗船して間もなくすると、高松港を出港した。

少し このフェリーについて説明させてほしい。 四国フェリーの高松‐宇野航路には現在2隻のフェリーが 運航されていて、高松と宇野港を同時刻に出港し 途中ですれ違いながら1時間で対岸まで運んでくれる。 この2隻のどちらも同じくらいの大きさで、サンフラワー号の様に大きな船ではないが、サロン船室の売店では讃岐うどんも食べられて四国ならではである。 サロン船室の他に広いデッキがある。 デッキからの眺めは最高で、特に夕映えの瀬戸内海には本当に感動する。 そして2隻のうち、片方の船にはお風呂も備えられていて無料で入れるのだ。 風呂の入り口には女性が入る際の掛札が用意はされているが、いつもトラックのプロドライバーが使っているから実質 男性専用となっている。 船で入るお風呂は なんとも気持ちがいいし 得した気分になる。 だからこの船に乗ったなら キャンピングカーの運転で疲れたお父さんは是非タオル一本首に掛けて、お風呂も利用してみてほしい。

 

航路の半分くらい来ただろうか。 隣に居る妻は旅の疲れもありウトウトとしている。 つけっぱなしのTVは面白くもない話題を取り上げているし、妻に話し掛けて起こしてもかわいそうだから、趣味のデジタル一眼レフカメラを首にぶら下げて撮影を楽しむことにした。

 

車両フロアーから階段を上りデッキまで上がった。

混雑する程の盛況に感じていたが、利用し慣れた地元の方ばかりが乗っているのかデッキは無人だった。

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遠方の釣り船を見つけて逆光ぎみに望遠で狙う。 よし、いい感じで撮れた。

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おっ!デッキの窓枠越しに(ガラスは入っていません)カモメが見えた。

こんな瞬間を上手く収められると嬉しいのだが・・・

よし、まずまずのショットだ。

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そして屋上にある展望デッキへ登ると、 沢山のカモメがフェリーを追うように舞っていた。

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「凄ぉーい!」 思わず声が出た。

なんて素敵な光景なんだ。 四国フェリーには何度も乗っているが、20年も前に妻と乗った北海道行きの大型フェリーで一度だけ観たことがあったが、久しぶりの、そして人生で二度目の貴重な体験だ。

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カモメを被写体にするのは初めてだ。

空の色と同化しないように、試行錯誤しながらカメラの設定を変えて撮る。

特に難しいのは露出の設定だ。 確認はカメラのモニターだけが頼りだが、昼間の屋外では画面が暗く確認しずらい。

それでも どうにか設定を追い込んでからコンティニアンスAFモードでカモメを追う。

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軽やかに舞うカモメ達。 あんなに自由に飛べて、きっと気持ちいいんだろうと思う。

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駄目だ、いまひとつピントが来ない。 ならばとマニュアルフォーカスに切り替えて手動でピントを合わせるとカモメを鮮明に捉えることが出来た。

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望遠いっぱいに捉えるとカモメの顔までが解った。

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ふーん、カモメはこんな顔をしていたんだなぁ。 可愛い顔をしている。

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上のカモメとは違うカモメです。 顔が違うので解ると思います。

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気づけば夢中に成ってファインダー越しにカモメを追っていた。

 

ノーブルに戻り妻に報告した。 得意に成って写真を見せる私がいた。

いつの間にか 大人に成っていくほど常識に縛られ、大人に成りきろうとするほどストレスを感じていた自分。 背伸びせずに いつまでも少年の様に澄んだ心のままでいたい。 それが本音だし、こんなにも童心に戻れて そう自然に出来ている自分を嬉しくも思う。 きっと妻の目にも、そんな私が とても子供っぽく映っているのだろう。

それでいいんだ。 それが俺の人生だし、人ってそんな時があった方が人らしくって いいんだと思う・・・

こんなにもドラマチックな旅ができて、やっぱり思うことは「キャンピングカーは最高に楽しく面白い」と言うことなのだ。

 

あっという間の瀬戸内クルーズだった。

宇野港に着岸した。

さてと、愛車 ZiL Noble で上陸して、我が家に帰るとするか。

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参考=撮影機材(PENTAX K-5・PENTAX-DA 18-270mm)

 

 

 

 

Noble kitchens (キャンピングカーでサンドイッチを作ろう)

キャンピングカーのキッチンでお料理してますか?

美味しい+楽しいーぃ がキャンプ料理。

皆さんもキャンピングカーで料理してみてください。 出掛けた先で調理して、出来立ての お料理を食べれば 家族の笑顔は保証付きですから!

 

今日のノーブルキッンズは、火を使わずに作れる「簡単で美味しいサンドイッチ」を作ります。

 

Noble kitchens  「サンドイッチ ランチ」

・コンビーフ サンド

・たまごサンド

・付け合わせのサラダ

・カップスープ

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はじめにサラダを作りましょう。

オレンジの皮をむいて くし切りにカットします。

こんな風に調理台にラップを貼っておくと衛生的で後片付けも簡単です。

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サニーレタス(ピンクロースター)は我が家の台所で処理してきました。

同じレタス系で、サニーレタスと並んで売られているグリーンリーフは少しえぐみがあります。 対してサニーレタスは癖がなく食べやすいので 私はいつも こちらを買っています。

処理方法

①使う分だけ はがして水洗いします。

②食べ易い大きさに手でちぎって、水をはったボールに入れていきます。

③水に氷を足して、10分浸けておくと しんなりしていた葉っぱがシャキッと瑞々しく成ります。

 

プチトマトも洗って持ってきました。

私はジッパロックコンテナと言うタッパーを使っています。 しまう時に かさ張らないし密閉性・耐熱性もいいです。

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盛り付けましょう。 ほら、三色で美味しそうでしょ。

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次はメインのサンドイッチを作りましょう。

 

コンビーフ サンド

きゅうりを加えて、歯触りがある食感を出すのがポイントです。

 

材料=コンビーフ・きゅうり・マヨネーズ・塩・コショウ

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①今回、きゅうりはカットして持ってきました。 5mm角に切ったきゅうりを、キッチンペーパーに包んで水気をしっかり取っておいてください。

②ボールにコンビーフを入れて箸でくずし、①を加えて和えます。 

③マヨネーズを入れて食パンに塗り易い硬さにします。 最後に塩・コショウで味を調えます。

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コンビーフをサンドしていきましょう。

①食パンに薄くマーガリンを塗ります。

※マーガリンの役割=食パンをコーティングしてネタの水分を通さないのと、食パンにネタを張り付ける接着剤に成ります。

②食パンに調理したコンビーフをヘラで塗り、サンドします。

 

ここ ↓ がサンドイッチを美味しく作るポイントです!

③水で濡らしてから軽く絞ったキッチンペーパーを敷き、調理済のパンを置きます。 上から蓋をする様に濡れたキッチンペーパーを被せます。 すると しっとりとしたサンドイッチが作れます。

※キッチンペーパーですが、写真の通り結構濡れた感じにします。 乾燥防止+ほんの少し食パンに水分が移ることを狙っています。

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続いて たまごサンドです。

誰でも作り方を知っているたまごサンドですが、今回は私がホテルで勉強してきたプロの味をお教えします。

 

材料=ゆで卵・玉ねぎ・マヨネーズ・レモンのしぼり汁・塩・コショウ

 

たまごのネタは我が家で作ってきました。

①卵を茹でてから細かくカットします。

私は卵スライサー器でカットしています。 カットの仕方は、一度スライスしたら90度回転させてカットします。 これで棒状にカットした状態になります。

更に向きを横から縦にして格子状にカットすれば、サイコロ状に細かくできます。

②玉ねぎを少量、極細かいみじん切りにして⇒ 水でさらしてから⇒ キッチンペーパーを使って水気をしっかりと絞り取ります。

③カットしたゆで卵に②を加えて、マヨネーズでペースト状に伸ばして、塩・コショウで味を調えます。

④仕上げに、レモン果汁(ポッカレモンでもいいです)を ほんの少しだけアクセントに入れるとプロっぽい味に成ります。

 

コンビーフサンドと同じ要領で作ります。

①食パンにマーガリンを薄く塗ってから、ゆで卵のネタを塗ります。

②最後に作ったサンドも濡れたキッチンペーパーに包んで1~2分置きます。 食パンをしっとりさせるためです。

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食パンの耳を落として、台形にカットします。

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盛り付けて完成です。

カップスープにお湯を注いでサラダを添えれば、豪華なサンドイッチ ランチの出来上がりでーす!

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サンドイッチを美味しく作るコツは、とにかく食パンを乾かさないこと。 常に濡れたキッチンペーパーで包んでおきます。 こうして作ればホテルのサンドイッチと変わらない程 しっとりと美味しく出来上がります。

 

キャンピングオーナーのお父さん、今日の料理は簡単でしたでしょ。 日頃 買って食べているサンドイッチより絶対に美味しく作れますから、たまには ”男の腕まくり” キャンプ先で調理してみてください。 そうすれば きっと奥さんや子供たちの笑顔は倍増して、今まで以上に お父さんとキャンピングカーで遊びたくなりますから。

そして家族の笑顔が、手作りサンドイッチの隠し味に成って 人生で一番美味しいサンドイッチを食べられと思いますよ!

 

これで本日のノーブルキッチンズは終わります。

 

 

 

 

2016.05.21 初夏の風を感じに(旭川と森の公園)

今年に入り、私が仕事で忙しくなったため 我が家の ZiL Noble は出動率が かなり下がってしまっている。

乗りたい、乗って遊びに行きたい。

でも休日返上で仕事に追われて、宝の持ち腐れになってしまっている。

6月になれば夏休みを頂戴できるから、今までの分までノーブルで出掛けられると嬉しいのだが。

 

そんな中、今日は少しの時間を使って母を誘いノーブルで出掛けることにした。

しばらく乗っていなかったから、本当ならこのタイミングで洗車してピカピカに磨いてあげたいのだが、あまり時間を使えないので運転席まわりだけ軽く水洗いしてあげた。

 

「お母さん、準備できたよ、行こうか」

「わー、キャンピングカーで出掛けるの 久しぶりぃ、嬉しいよー」

仕事に かまけて、母との会話する時間も減っている。 だからなのか今日の母は いつにもましてご機嫌だ。 それもキャンピングカーと言う特殊な車が、家族を幸せにしてくれることを知っているからなのだ。

母は今度の誕生日がくれば88歳になる。 戦中戦後と私の何倍も苦労してきて、最近は背がずいぶんと小さくなった。 母が元気でいてくれるうちに、さんざん苦労を掛けた分を少しでも親孝行して返したい。 

 

いつもなら使い慣れたノーブルのキッチンで自分が料理を作るのだが、時間を使えないのでスーパーでお弁当を買ってきた。 他に、飲み物とデザートも。

よし、あとは今日の目的地に向けてノーブルを走らせるだけだ。

 

5月に成って はじめて運転するノーブル。

家の前の細い路地から、広い対向二車線の道路に出た。 なんとも しばらくぶりな気がする分、車窓に流れる景色が、高い運転席の視線から ずっと先まで見通せる道路に行き交う車や自転車に、手を繋ぎ歩くお母さんと子供、そんな ありふれた日常の風景が新鮮に感じられる。

信号のある十字路を左折する。

ノーブルはでかいから、やや前方に突っ込んでからハンドルを大きく切って曲がる。

めちゃくちゃ楽しい! このでかいキャンピングカーを運転することが、とても楽しいのだ。 左折するだけでも楽しいだなんて、自分は どれだけノーブルの運転が好きなんだろう。

やっぱりキャンピングカーっていいなぁ。

仕事のストレスが スーっと抜けていくのを感じる。

 

キャンプポイントの旭川の河川敷に着いた。

お花が大好きな母に、この時期でしかない ”黄色い花の じゅうたん” を見せてあげたかったんだ。

「見て、ほら きれいでしょー」

「ワー、すごく奇麗だねー、沢山咲いているね」

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絨毯の様に敷き詰められた黄色い花が、何とも優しく私達を出迎えてくれた。

母に存分に見せてあげたくて、対向車も来ない空いた道を時速15kmで ゆっくりと走らせる。

 

「写真を撮ろうか」

ノーブルを路肩に止め、ブログ用と、母のデジカメにも収めてあげた。

母が通っているデイサービスでは、仲よくしてくれている お友達の皆さんがキャンピングカーの写真を見ることを楽しみにしているそうだ。 贅沢も我慢して今の日本を築いてきた皆さんだから、きっと母の写真を見ては、自分もキャンピングカーで出掛けたらこんな感じだろうとイメージが膨らんで楽しく見てくれているのであろう。

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川沿いの道路から土手に下り、いつものキャンプポイントに到着すると先客が居る。

大人の趣味で、本格的なラジコン模型のボートを川面に浮かべて、これから遊ぼうというところだった。

ラジコンボートのエンジン音が静かな河川敷に響き、ボートは勢いよく滑り出した。

見事な操縦で広い川面をクルクルと走らせてゆく。

 

観ている分には面白いのだが、甲高いエンジンの音は かなり うるさく感じる。

「きっと しばらくは遊んでいそうだから、場所を移動しようか」

ここからすぐ近くの登山道の入り口にある公園の駐車場を思いついた。 あそこは静かだし森の中でロケーションもいいぞ!

心配なのは駐車場に侵入する際の立木だ。 ノーブルの車高は高いから、伸びた枝に屋根を ぶつけてしまうかも知れない。

 

移動して行くと、心配していた立木を縫う様に いい感じで駐車場に入場できた。

ノーブルは大きいから廻りに迷惑が掛からない様にして止める。

エンジンを切り、ベンチレーターと 幾つもある窓を開けていくと、心地よい初夏の風がリビングのカーテンを揺らして、室内を爽やかさで満たしながら抜けていく。 森の木々に囲まれた中で、何とも気持ちがいいものだ。

「お母さん、気持ちいいねえ」

「うん、凄くいい所だね、こんないい場所が在ったんだね、あんたは色んな所を良く知ってるから感心するよ・・・」

母もこのポイントに満足してくれている。

 

”さあ、買ってきたお弁当を これから食べようか” としていると野鳥の声にまじり「ミー ミー ミー ミー ・・・」と鳴き声がする。

鳴き声の方に目をやると、足もおぼつかない白い子猫が若い男の人の足元で甘えている。

その人が歩くと、一生懸命に追いかけてゆく姿はとても愛らしいのだが、のら猫にしては人懐っこいし、これほど幼いのに親猫の姿は見当たらない。

ノーブルから降りて、そばにいくとポツンと置かれた段ボール箱の中にもう一匹 茶色の子猫が入っていて、私の顔を見るとミーミーと鳴き出した。 体の毛は汚れて、少し濡れている感じだ。

捨て猫なんだ・・・

段ボール箱の底には餌らしき残物が 僅かに残っているだけで、子猫には まだ獲物を捕れるはずもなく、このままでは今日明日には死んでしまうだろう。

そこに、先ほどの青年が近寄ってきた。 足元には白いチビが付いてきている。

私・・・「捨て猫ですね」

青年・・・「今さっき、猫の愛護ボランティア団体に電話を掛けて・・・」

私・・・「そうですか、ありがとうございます」

青年・・・「土曜日だからか うまく繋がらないんです、他も探しているところです」

そう言いながらスマートフォンで検索を続けてくれていた。

 

保健所に連絡すれば、もしかしたら殺処分されてしまうかも知れないし、愛護団体なら安心だろうと連絡を付けようとしていたのだ。 なんとも優しくて立派な青年だ。

 

ひとまずは青年に任せて、私はノーブルに戻り 母とお弁当を食べることにした。

お弁当を食べつつも気になになるから猫を目で追っていると、登山に来た人が代わる代わる「可愛いね」と、子猫に反応するのだが すぐに捨て猫と気付き「可哀そう」と数分は側にいて、どうにもしてあげられないから登山口に入ってゆく。 その後ろをミーミーと泣きながら よちよちとお尻を振って追いかけてゆく子猫。 人の歩く方が早いから、途中で追いつかずにあきらめては立ちすくんだまま鳴き続けていている。

誰か「僕達を助けて」、きっとこのままでは死んでしまうと本能的に感じて必死の思いで助けを乞うているかの様に見えてくる。

本当に可哀そうだ。

今日、嫁が一緒に来ていたら あいつは優しいから、「家に連れて帰ろう」と言い出したかも知れない。

 

お弁当を食べ終えて、母にTVを点けてあげる。

オプションのベッドマットを組み込み、リビングソファーを お一人様用のミニベッドにしてあげた。

こうすると小柄な母なら足を投げ出して余裕でくつろげるのだ。

そうしてあげて私は足の悪い母には登れないベッドルームに上がり寝転んだ。

捨て猫のことを気になりながらも、仕事の疲れと森の中の開放感から すぐに眠りについてしまった。

 

・・・・・・目が覚めた。 どのくらい眠っていただろう。 時計を気にしていなかったから解らないが30分くらいは眠っていたと思う。

そうだ、子猫はどうなったのだろう。

そう思い、窓から様子を見ると、先ほどの青年の姿はなく40代はじめくらいの登山服姿の二人組の女性が側で見ている。 子猫は相変わらず女性の足元で顔を見上げて、ミーミーと鳴いている。

すると一台の小型のワンボックス車が駐車場に入ってきて、ドアを開け 年齢の少しいった感じの小柄な女性が一人 降りてきた。 私服を着ている。

そして二人の女性が「こっちです」と話す声が聞こえ、今来た女性は一度車に戻ると布製の手提げバックを持ってきて、手慣れた様子で子猫を順にバックにポンポンと入れ、二人の女性と二言三言会話するとワンボックス車のハッチを開けてバックごと子猫を積み、スーっと帰っていった。

そして、二人の女性も登山口に入って見えなくなった。

きっと今の女性が猫の愛護団体の方なのだろう。

よかったな チビ助、「俺も お前さん達を置いたまま、家に帰るのは忍びないところだった」。

ホッとしていると、キャンピングカーの心地よさにTVを観ながら眠ってしまった母も目を覚ました。

「お母さん、捨て猫 大丈夫だったよ、今 連れていってくれた」

「そうかい、そりゃあ よかったねぇ」

本当によかった。

あの青年が連絡してくれて、猫のボランティアの方もすぐに来てくれて、これで猫は安心だ。

それにしても、子猫を捨てるだなんて。 そんなことに成るなら、ちゃんと親猫の避妊手術をしておけばよかったのに。

少しの不愉快を覚えつつも、子猫が無事に保護されて安堵し、青年の優しさが嬉しかった。

 

「お母さん、そろそろ帰ろうか」

「そうだね、楽しかったねぇ・・・」

河川敷で黄色い花の絨毯を母に見せてもあげられたし、子猫のこともあり 短い時間だったが とてもドラマチックだった。 

それにしても、この ZiL Noble の中で過ごしていると、我が家に居るよりもリラックスできてしまう。

やっぱりキャンピングカーは最高だ!

 

ノーブルで森を抜けて、さっき走った河川敷の道を進む。

黄色いじゅうたんを眺めながら走っていくと、まだラジコンボートで大人達は遊んでいた。

「ほら、森の駐車場に行って正解だったでしょう」

「まったく正解だったねぇ、あはははは」 ・・・・

運転席からサードシートに居る母との会話が弾む中、帰路に就いた。

 

今日は、短い時間だったが仕事のストレスからすっかり解放されてリラックスできた。

スーパーで買ったお弁当も母と向かい合わせて食べると何とも美味しくって ごちそうだったし、少しは母に親孝行もできたのかな。

 

次の月末休みに、今度は妻を連れて出掛けたいなあ。

もちろん、愛車 ZiL Noble で。

 

 

 

takaさん、そして九州の皆様へ

希望を届けられる様な記事には成りませんでしたが、久しぶりにブログを書きあげる ことができました。 どうぞ皆々様 御身体には気をつけて、希望を持って お過ごしくださいませ。