「ZiL Noble 白書」 Photo・・・瀬戸内の風に癒されて~

キャンピングカー ZiL Noble で出掛けた先の写真をアップしています

  ZiL Noble でキャンプするのが好きです。 自然の中に身を置いて、ノーブルのリビングソファーで風を感じながら珈琲を飲む、それが私にとって至福のひと時なんです・・・・

西日本豪雨で体験したこと、その2

平成30年・7月6日から7日にかけて岡山県を襲った集中豪雨で、私が体験したことを記します。

 

私は とても慎重派で、これまでも台風や豪雨被害のニュースを見ては「何で もっと早く安全な場所に逃げなかったんだろう」と思っていました。

ところがです、今回 自分の住む地区に避難指示が出たのに 逃げずに 家の中で大雨が通り過ぎるのを待っていたのです。

結果的に被害もなく無事でしたが、もう あと半日 あの大雨が続いていれば 命さえ落としていたかも知れません。

 

7月6日

雨は 前日(7月5日)から降り続いていて、断続的に強くなったり 弱くなったりしていました。

天気予報でも強い雨が明日(7月7日)まで続くと伝えていました。 

静岡県から岡山県に越してきて10年目。 静岡に居た頃には地震や台風への意識が高かったのに、岡山は地震も無いし台風もよけてくれる・・・ いつの間にか平和ぼけしていました。

ですから、今回の大雨が来ても いつもと同じで大丈夫だろうと、何の根拠もないのに たかをくくっていました。

引っ越してきた私でさえ そんな感覚ですから、岡山育ちの県民なら尚のことだったと思います。

 

雨の中、日中は妻と外食したりショッピングモールに出かけたりして過ごしました。 この間の天候は 雨が降り続き 断続的に強く降っていました。

 

17時頃

スーパーで夕食の おかずを買ってから帰宅しました。

この頃から 連続した強い雨に変わってきました。 

この強い雨は明日まで続く予報で、既に日中から鉄道は運転を見合わせ 高速道路も通行止めになっています。

 

18時半頃

風呂に入り、母に食事を食べさせてから、妻と 二階のリビングで テレビを見ながら食事をしました。

相変わらずの強い雨でしたが、さほど気にも留めずにいました。

 テレビでは大雨の情報をテロップで流していました。

「記録的な豪雨により、災害が起こりそうな岡山県北部の一部地域に避難勧告」が 出されていました。

 

18:52

携帯電話の緊急速報が鳴り、岡山県北部の一部地域に「避難準備・高齢者避難開始」が発表されました。

これまでも台風の際には県北地域で何度か出されていて、自宅の地域とは離れていた こともあり、危険を感じるには至らなかったです。

 

19:40 特別警報発表

携帯電話の緊急速報が鳴り「岡山県に特別警報」が出たことを知りました。

詳しい地域の指定が携帯電話の情報にはなく、「テレビ、ラジオ及び自治体等の情報を ご確認ください」とのことでした。

この際にテレビで見たのか、パソコンで確認したか記憶があいまいですが、北部のかなり広範囲な 11の市町村に出ていて、「えーっ、市内の中心部にも警報がでるかも」と、少しずつ不安を感じてきました。

 

20:51 一部地域に避難勧告

携帯電話に緊急速報「岡山市内の一部地域に土砂災害のおそれがあるため避難を勧告」あり。

以降、携帯電話へ緊急速報が矢継ぎ早に入りはじめます。

テレビでも 次々と速報が入ってきて、今回の大雨は尋常ではないことを強く感じはじめてきました。 

「大丈夫かなぁ」

「キャンピングカーで逃げようか」

「でも何処へ逃げるの・・・?」

そんな会話を夫婦でしました。

 

21時頃

静岡の友人がテレビのニュースを見て心配して電話をくれました。

「大丈夫」

「今のところ大丈夫だけど、どうなるのか わからない」

「とにかくご無事を祈ります」

「ありがとう、何もなければいいのだけれど・・・」

 

21:36 岡山県全域に大雨特別警報

友人との電話を切ってすぐに県内全域に「大雨特別警報」が発令されてしまいました。

「特別警報って何、どうすればいいの」

テレビでは「記録的な大雨です、今すぐに安全な場所への避難を」と、強く呼びかけています。

私は 不安を感じてきました。

 

22時頃

病院に勤務する妻は、明日は仕事です。

こんな時だからこそ 明日は 休まずに行くと 床につきました。

私は明日が定休日だったこともあり、テレビを見るながら起きていました。

 

今、自分が家族の命を守るには どう行動すればよいのだろう。

私は とても心配になってきました。

近くを流れる一級河川旭川旭川の氾濫を防ぐために江戸時代に掘られた百間川(ひゃっけんがわ)、東に流れる一級河川の吉井川、これらの河川に囲まれたエリアに住んでいるので 何処に逃げても洪水の危険はあるし 以前に見たハザードマップでは近くの山は どこも土砂崩れの危険があるし、キャンピングカーでは逃げられるはずもなく、テレビの情報を気にしていました。

外はどんな様子なんだろうと玄関の外に出てみましたが、真っ暗な中 どしゃ降りの大雨です。

近所の人は誰も避難している様子もなく、はじめて体験している危険に どうすればよいのか・・・

 

22:55 市内全域に避難指示(緊急)

携帯の速報で、避難指示が出たことを知ります。

パソコンで市の避難情報を確認すると、「旭川百間川警戒水位を超えていて いつ氾濫してもおかしくない」とのことです。

 

我が家には 90歳になる母が居ます。 年齢的に ひょこひょこと歩けるはずもなく、大雨で 車に乗せるだけでも ずぶ濡れになります。 「こんなに暗い雨の中、転んで足でも折れば大変だし・・・」

母を連れて、明日の仕事へ行くからと早く床に入った妻を起こして 逃げるか、逃げるとすれば何処へ逃げるか・・・

そんな事を考えあぐんで 私なりに出た答えは、「洪水が起きたら 一階に寝ている母を二階に移すしかない」

とにかく近くを流れる大きな河川が氾濫せずにいてくれる事を願うばかりでした。

 

未明の 3時頃まで起きていましたが、疲れていて テレビをつけっぱなしで いつの間にか眠ってしまいました。 

 

7月7日 6時頃

明るくなりはじめて 6時前に目が覚めました。

とりあえず我が家は無事です。 窓の外を見渡すと、いつもと変わらぬ様子で、雨は ある程度まで弱まっていました。

妻も仕事だからと起きてきて、身支度をはじめました。

「どう」

「この辺は大丈夫だったみたい、よかったよ

倉敷で大きな洪水があったみたいだし、広島も土砂崩れでやられた。

これから被害は もっと増えると思う」

「そう、とにかく仕事に行ってくる」

「わかった、気を付けてね・・・」

 

7時頃

それからは、親せきから電話が何本も入って 皆 心配してくれていました。

明るくなって外の様子も確認できるし、雨も収まってきて テレビでも梅雨前線は四国側に移動したことを伝えていました。

 

今回は、自分の住む地域や市街地の中心に大きな被害がでずに済みましたが、夜遅く 真っ暗になってから出された避難指示に、避難行動を起こせずにいました。

避難勧告もなく 夜遅くの避難指示でしたし、そんな時間帯に出されても、避難場所である近くの小学校の体育館に避難した人は ご近所では誰もいませんでした。 きっと岡山市内に住む ほとんどの人が自宅で雨が通り過ぎるのを待っていたでしょう。

 

これでいいのだろうか?

一級河川旭川が氾濫していたら、未曽有の被害が出ていたはずです。

倉敷市真備町を襲った洪水の映像を見れば、二階ですら危いことが解ります。

所詮、人間は自然任せであり 成るようにしかできない・・・ 絶対に そうであってはいけない!

「もっと早くに、7月6日の明るい時間帯に こうなることが予想されて、テレビで もっと大きくアナウンスしてくれていれば、国や自治体が もっと積極的に避難を呼びかけてくれていれば よかったのに」

 

私の住む地域こそ無事でしたが、市内では(テレビでは報道されていない)何ヶ所にも被害が出ていますし、倉敷市の洪水や 広島の土砂崩れにしても もっと的確な避難指示が明るいうちに出ていれば、これほどの死者を出さずに済んだはずです。

これまで経験したことのない記録的な豪雨を前に、現代の気象予報や災害予測では 対応しきれなかったのでしょうか。 そうであるならば 早急に基準を見直してほしいです。

 

そして、私たち一人ひとりの意識も 変えていかなくてはならない。

生まれ育った町で、父や母や祖父母ですら経験していないことが 起きるかも知れない。

そうなった時には どうすべきか。 命を守るには どう行動すればよいのか。

 

私はまだ大地震津波や噴火などの災害を経験していません。 今回も洪水には遭いませんでしたが、少なくとも今回の教訓として大雨については こう行動すべきと学びました。

「もっと事前の情報をしっかりと把握して、記録的な豪雨や大きな台風で危険が迫りうる可能性がある時には、明るいうちに母と妻と三人で 駅近くのホテルに避難しておこう」

大げさな人だと思われてもいい。

何事もなければホテルから妻は出勤すればいいし、それでよし。

「家族の命を守る決断は自分がしなくてはなりません」 後から後悔しないように、年老いた母のことも考慮すれば そんな結論がでました。

 

今回の豪雨災害は、年内に もう一度あるかも知れないし、来年 あるかも知れません。

このところ、明らかに異常気象が起こっています。 特に大雨です。

そうならないことを願いつつも、私以外の皆さんにも「もしもの備えをしてほしい」と願います。 その備えは備蓄品などもそうですが、市町村のハザードマップを見て頂き 自宅の危険度や いざの時の避難場所を知っておくことなら すぐにでも出来ることです。 まだハザードマップを見たことがない方は、是非とも見て知っていて ほしいです。

 

未だに全国の被災地では支援活動と救助活動が続いています。 猛暑が続く中、皆様 本当にお疲れ様です。 

被災された方々に早く笑顔が戻りますことを、ご尽力くださっている皆様に お怪我がないことを、皆さんからの善意の支援金が適切に被災者救済に使われることを 心から祈っております。

私的には、仕事が休みの日には 妻と二人でボランティア活動に参加して 少しでも御役にたちたいです。

 

これで記事を終わります。